動脈硬化性疾患を有する方は脂質異常症(高脂血症)に加え、喫煙、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)などのリスクを併せ持つことが多く、動脈硬化性疾患にはこれらに対する早期からの包括的管理を行う必要あります。
※高リスクに該当する方
1)糖尿病 2)慢性腎臓病(CKD)
3)非心原性脳梗塞 4)末梢動脈疾患(PAD)
「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」では従来通り高血圧の基準値は診察室血圧が140/90mmHg、家庭血圧が135/85mmHgとなっております。また糖尿病や腎不全などのリスクがある方は下記のように降圧目標も変わります。食事療法による塩分指導に加え適切な降圧薬が必要になる場合もあります。
75歳未満の成人 | 130/80mmHg未満 |
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糖尿病患者 | 130/80mmHg未満 |
CKD患者(蛋白尿陽性) | 130/80mmHg未満 |
75歳以上の高齢者 | 140/90mmHg未満 |
CAVI(キャビィ)は大動脈を含む「心臓(Cardio)から足首(Ankle)まで」の動脈(Vascular)の硬さを反映する指標(Index)で、動脈硬化が進行するほど高い値となります。大動脈の進展性の低下は心疾患の発症や予後を規定する因子となることが知られており、早期診断と管理に役立ちます。
CAVI基準値 | |
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CAVI<8.0 | 正常範囲 |
8.0≦CAVI<9.0 | 境界域 |
9.0≦CAVI | 動脈硬化の疑い |
ABIは、下肢動脈の狭窄・閉塞を評価する指標です。上腕と足首の血圧から算出されます。ABIは非侵襲的な検査で数値として評価できるので、PAD(末梢動脈疾患)患者の早期発見に有用です。PADは、心血管疾患や脳血管疾患など他臓器障害との合併が多く見られることからも、早期発見が重要です。